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内科エマージェンシー 私の経験
脂肪塞栓症候群にみられた結膜点状出血斑
著者: 小林理1
所属機関: 1新潟県立中央病院内科
ページ範囲:P.112 - P.112
文献購入ページに移動 筆者らは,大腿骨骨折後の脂肪塞栓症候群の診断に,呼吸器症状,中枢神経症状とともに眼瞼結膜の点状出血斑が有用であった症例を経験したので呈示する.
症例は17歳の女子高校生で交通事故による両側大腿骨骨折のため当院整形外科に入院した.入院時,意識は清明で胸部X線所見も正常であった.翌日,意識混濁状態となり低酸素血症(酸素3l下でPO2:42mmHg)と胸部X線上びまん性にスリガラス状陰影が認められた.また眼瞼結膜に点状出血斑を認めた(図1).以上の所見より脂肪塞栓症候群と診断し,ハイドロコーチゾンとメシル酸ガベキサートの治療を開始した.治療後,胸部陰影,低酸素血症は徐々に改善していき,4週後には意識も清明となった.
症例は17歳の女子高校生で交通事故による両側大腿骨骨折のため当院整形外科に入院した.入院時,意識は清明で胸部X線所見も正常であった.翌日,意識混濁状態となり低酸素血症(酸素3l下でPO2:42mmHg)と胸部X線上びまん性にスリガラス状陰影が認められた.また眼瞼結膜に点状出血斑を認めた(図1).以上の所見より脂肪塞栓症候群と診断し,ハイドロコーチゾンとメシル酸ガベキサートの治療を開始した.治療後,胸部陰影,低酸素血症は徐々に改善していき,4週後には意識も清明となった.
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