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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻11号

1998年10月発行

文献概要

内科エマージェンシー 私の経験

心臓喘息と気管支喘息

著者: 山田玄1

所属機関: 1市立釧路総合病院呼吸器科

ページ範囲:P.183 - P.183

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 呼吸器科の専門医が緊急な対応を要する患者さんのほとんどは,呼吸困難や喘鳴などを主訴にしています.
 気管支喘息と心臓喘息はいずれも呼吸困難と喘鳴を認めますが,前者は気道の炎症で,後者は肺の循環障害です.ある日,夜中の呼び出しを受けた患者さんは63歳,女性で初診でした.強い呼吸困難を訴え,胸部X線では左肺野に肺炎様陰影,右上肺野に陳旧性肺結核による気管支拡張症を認めました.起座呼吸で低酸素血症と白血球増多があり,両胸部全体に著しい喘鳴を聴取しました.夜間の救急外来は直感に頼る場合が多く,陳旧性肺結核に肺炎が加わり喘息発作を起こしているのではないかと考えて,直ちに抗生剤,補液,ステロイド投与,β2刺激剤の吸入をしますが,一向に良くなりません.SaO2も80%から90%で,あえぐような呼吸は悪化していきました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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