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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻11号

1998年10月発行

文献概要

内科エマージェンシー 私の経験

急性心筋梗塞様の病態を呈した褐色細胞腫

著者: 岡野信行1

所属機関: 1京王八王子クリニック内科・循環器科

ページ範囲:P.267 - P.267

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 新規開業して半年余りの夜間外来中の午後6時頃,54歳の女性が数時間前からの心窩部痛,動悸を主訴に初診来院した.冷汗をかき苦悶状顔貌で,手指振戦を認め,頸部に一見してわかる甲状腺腫を認めた.血圧170/96,脈拍数約90不整,心電図ではI・aVLでST上昇を認め,II・III・aVFでST低下を認め,PVCが散発していた.最近1〜2カ月で5kgの体重減少を認めたという.
 これは開院以来初めての急性心筋梗塞だ!それも甲状腺機能充進に合併したものか!とやや興奮していた,早速CCUに転送の手配をし,救急車で送り出した.が,後日届いた返事は意外なもので,「褐色細胞腫」の診断であった.転送先でも急性心筋梗塞を疑い緊急CAGを行ったが冠動脈に有意狭窄はなく,左室造影では前壁・下壁・後壁の一部が動かないという奇妙な結果であった.その後CCUで血圧の変動が激しいとのことで精査の結果,後日「褐色細胞腫」と判明したという.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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