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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻11号

1998年10月発行

文献概要

内科エマージェンシー 私の経験

本当に風邪ですか?

著者: 橋本健一1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系呼吸器内科

ページ範囲:P.293 - P.293

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 風邪ということで患者が他科から紹介されてきた.聞くと,4,5日前から体調不良とのこと.体温37度を少し超える程度の微熱が続き,頭重感,便が軟便でやや下痢気味,食思不振と全身倦怠感があるという.咳・痰・鼻汁・鼻閉・咽頭痛は特になし.経口抗生剤と総合感冒薬を少し使ってみたが改善がなく,電解質輸液を2日ほどしているがやはり体調不良なのだという.項部硬直はみられない.さて,皆さんならここでどう対処されるであろうか?
 私が気になったのは,上気道炎所見が認められなかったことと他覚的身体所見に比して全身倦怠感の訴えが著しく強いということであった.鑑別として急性肝炎を考えた.黄疸はないか?しかし,皮膚にも眼にも黄染は認められない.尿でビリルビンをみる簡便な方法もあるが,陰性結果になったとしても否定しきれないと考えて血液検査を実施した.検査結果も翌日報告のところを頼み込んで緊急報告してもらった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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