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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻11号

1998年10月発行

文献概要

内科エマージェンシー 私の経験

急性胆嚢炎に経乳頭的胆嚢ドレナージを施行し救命し得た腹水貯留非代償性肝硬変の1例

著者: 本田聡1 景岡正信1 岩崎央彦1 樋口良太1 杉本健1 窪田裕幸1 渡辺文利1

所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器科

ページ範囲:P.417 - P.417

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 症例は56歳女性で,腹水貯留を伴う非代償性C型肝硬変と胆嚢結石のため当科外来通院中であった.これまで胆嚢結石はいわゆる無症状胆石(silent gallstone)として経過したが,今回急性胆嚢炎を発症し入院した.右季肋部の自発痛,圧痛は顕著でなかったが,38.6℃の発熱を認め,炎症所見および画像所見から急性胆嚢炎と診断した.
 入院時検査成績ではCRP 6.8mg/dlと上昇認め,総ビリルビン3.5mg/dlと軽度の黄疸も呈していた.腹部エコーでは胆嚢頸部に結石影およびその周辺にdebris貯留を認め,胆嚢の腫脹,壁肥厚もみられた.CTでは胆嚢頸部に石灰化した結石の嵌頓を認め,胆嚢の腫脹,壁肥厚が著明であった.また,エコー,CT上,肝両葉は高度に萎縮し,辺縁は凹凸不整で,肝S7には肝細胞癌の合併を認め,さらに肝表面を含む腹腔内全体に腹水貯留がみられた.急性胆嚢炎に対し,絶食,輸液療法,抗菌剤投与施行し,48時間経過をみたが,CRP 7.6mg/dlへ上昇傾向を示し,胆嚢壁肥厚の増悪,壁内のsonlucent layerの顕在化を認め,ドレナージ術が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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