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内科エマージェンシー 私の経験
パーキンソン病の心電図
著者: 山田正和1
所属機関: 1立川相互病院神経内科
ページ範囲:P.443 - P.443
文献購入ページに移動 症例は62歳,女性.心電図室より異常波の連絡があり判読を行った.心電図所見(右図):肢誘導で一見心室頻拍様であるが所々にR波が確認できる.またIII誘導では異常波の振幅が小さかった.異常波の周波数は250回/min(4.2Hz)であった.胸部誘導では肢誘導でみられた異常波は明らかでなく,QRS波が容易に同定でき,脈拍79回/min,整であった.
診察上は,パーキンソン病(Hoehn & Yahr II度)で右手の安静時振戦が著明であり,血液検査で甲状腺機能低下症の含併が認められた.本例の心電図は,甲状腺機能低下症の合併のため低電位があり,肢誘導においてR波が異常波に隠れてしまった.右手の安静時振戦のため,右下肢と左上肢からの導出であるIII誘導および胸部誘導では異常波の影響がわずかであった.また本例の異常波の周波数は,パーキンソン病の振戦4-7Hzに合致していた.なお同じ症例で,心室性期外収縮,心房細動,完全左脚ブロック様に心電図が記録されることもあった.
診察上は,パーキンソン病(Hoehn & Yahr II度)で右手の安静時振戦が著明であり,血液検査で甲状腺機能低下症の含併が認められた.本例の心電図は,甲状腺機能低下症の合併のため低電位があり,肢誘導においてR波が異常波に隠れてしまった.右手の安静時振戦のため,右下肢と左上肢からの導出であるIII誘導および胸部誘導では異常波の影響がわずかであった.また本例の異常波の周波数は,パーキンソン病の振戦4-7Hzに合致していた.なお同じ症例で,心室性期外収縮,心房細動,完全左脚ブロック様に心電図が記録されることもあった.
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