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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻12号

1998年11月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病の患者を受け持ったら 専門医の治療選択を生かす

NIDDMの経口薬による治療

著者: 本田律子1 門脇孝2

所属機関: 1朝日生命糖尿病研究所 2東京大学医学部糖尿病・代謝内科

ページ範囲:P.1912 - P.1914

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ポイント
●NIDDM患者においては,膵臓からのインスリン分泌不全と末梢におけるインスリン作用不全(インスリン抵抗性)の二つが高血糖の原因となっている.
●肥満は重要なインスリン抵抗性の原因である.肥満時には脂肪細胞は肥大し,TNF(tumor necrosis factor)-αやFFA(free fatty acid)などを産生し,骨格筋におけるインスリンの作用を障害する.
●高血糖それ自体も膵B細胞からのインスリン分泌を障害し,末梢における糖の利用を低下させ(糖毒性:glucose toxity),血糖の上昇が血糖をさらに上昇させるという悪循環が形成される.
●NIDDM患者の治療にあたっては,①インスリン分泌を補充する,②インスリン抵抗性を解除する,という二つの視点が要求される.
●食事療法,運動療法によっても十分に良好な血糖のコントロールが得られないNIDDMに対しては,薬物治療が併用される.
●インスリンの投与が必要な例に,漫然と経口薬のみによる治療を続けることのないよう注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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