文献詳細
文献概要
CHEC-TIE—よい医師—患者関係づくりのために・23
診療コストと検査の選択が医師—患者関係にかかわる
著者: 箕輪良行1 柏井昭良2
所属機関: 1自治医科大学大宮医療センター総合医学第2 2自治医科大学看護短期大学
ページ範囲:P.2044 - P.2045
文献購入ページに移動イシカワさんは,話しづらさと後頸部の不快感を訴えて受診した48歳の男性である.1週間ほど前から自覚症状があり,ゴルフクラブをスイングするといつも通りにならないという.不動産の営業担当でやり手のイシカワさんは,酒,カラオケ,タバコはもちろん,つき合いは何でもOK.若いときは国体のスキー候補になるほどのスポーツマンだった.
「親は血圧が高くて,脳卒中で亡くなりました」診察すると血圧は156/104mmHg,脈拍72回,軽度肥満であった.神経学的所見では著明なものはなく,内頸動脈雑音や心雑音を認めない.意識消失,痙攣,嘔気の病歴はなく,心房細動もみつからなかった.高血圧がみられ,家族歴もあり脳梗塞のリスクはあるが,現在は所見がない.一過性脳虚血発作や脳梗塞も疑われた.
掲載誌情報