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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻12号

1998年11月発行

文献概要

医道そぞろ歩き—医学史の視点から・43

強靱な意志を貫いた博物学者シーボルト

著者: 二宮陸雄1

所属機関: 1二宮内科

ページ範囲:P.2046 - P.2047

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 シーボルトはヴュルツブルク生まれのドイツ人で,ヴュルツブルク大学で医学を学んだのち,オランダ領であったインドネシアにオランダ軍医として赴任した.シーボルトが当時唯一の外国人居留地であった長崎の出島に来たのは,文政6年(1823年)の7月である.シーボルトはオランダ商館付医官として来日したのであるが,オランダ政府から日本と日本人に関する広汎な調査を命じられていた.
 折しも日本の先覚的な医者の間に西洋医学への抑えがたい渇望があり,長崎のシーボルトの学塾「鳴滝塾」には優れた若者たちが各地から集まってきた.文政9年(1826年)にシーボルトが商館長に同行して江戸まで旅をしたときには,江戸でも多くの医者が彼の宿舎を訪れて情報を交換した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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