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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻13号

1998年12月発行

Drug Information 副作用情報・32

低カリウム時のメトクロプラミド等投与と突然死

著者: 浜六郎1

所属機関: 1医薬ビジランスセンターJIP

ページ範囲:P.2259 - P.2264

文献概要

 ベンザミド系薬剤のメトクロプラミド(プリンペランRなど)やH2受容体拮抗剤のファモチジン,抗ヒスタミン剤(H1拮抗剤)などは,いずれも潜在的に不整脈を起こしうる薬剤であるが,合併症がなく常用量の範囲内で1種類の場合には,不整脈のことはあまり問題にはならない.しかし著明な低カリウム血症,肝腎障害,心不全,もともと徐脈や不整脈のある場合,血中濃度を上昇させる薬剤の併用あるいは同種薬を2剤以上併用する場合には,不整脈の可能性が問題になりうる.
 今回は,もともと抗ヒスタミン剤が2種類とβ遮断剤が1種類投与されている男性が,著明な低カリウム血症となった状態で,1時間20分の間にファモチジン20mgが1回,メトクロプラミド10mgが2回静注され,約30分後に突然死(心停止)した例を紹介し,知らず知らずのうちに同種薬が重なることで突然死の原因となりうること,低カリウム血症では通常は問題になりがたい薬剤でも突然死が生じうることについて考察したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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