文献詳細
文献概要
今月の主題 内科医がよく遭遇する血管疾患 静脈疾患
深部静脈血栓症・深部静脈血栓性静脈炎
著者: 星野俊一1 小川智弘1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部心臓血管外科
ページ範囲:P.889 - P.891
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●深部静脈血栓症と深部静脈血栓性静脈炎とは同一疾患を指している.
●深部静脈血栓症は下肢に多く,浮腫,腫脹,疼痛,チアノーゼを呈し,重症になると有痛性青股腫や静脈性壊死に至る.
●本症は急性期には肺塞栓を惹起したり,放置すると慢性期には静脈血栓後遺症として慢性静脈不全を呈する.
●診断法にはベッドサイド検査としてHomans徴候,Lowenburgテストがあり,脈波法としてストレンゲージ脈波,光電脈波,空気脈波が用いられる.
●Duplex scanningは静脈のBモード,カラードプラにより静脈の閉塞,逆流の評価のみならず,血流動態の評価が可能である.本法は非侵襲的で,反復検査が可能であり,静脈疾患の診断法の主流となりつつある.
●静脈造影は現時点では検査のgold standardである.
●本症の治療のゴールは,急性期における症状の寛解と肺塞栓症の防止,および慢性期における静脈血栓後症候群としての慢性静脈不全の防止である.
●治療に際しては一般状態,症状の程度,発症原因および時期,血栓の存在部位,肺塞栓の有無などを考慮する.
●血栓溶解療法とそれに続く抗凝固療法は必須であり,カテーテル血栓溶解療法を第一選択とする.重症例および有痛性青股腫に対しては血栓摘除術を考慮する.
●肺塞栓予防として下大静脈フィルターの挿入は有効な方法である.
●深部静脈血栓症と深部静脈血栓性静脈炎とは同一疾患を指している.
●深部静脈血栓症は下肢に多く,浮腫,腫脹,疼痛,チアノーゼを呈し,重症になると有痛性青股腫や静脈性壊死に至る.
●本症は急性期には肺塞栓を惹起したり,放置すると慢性期には静脈血栓後遺症として慢性静脈不全を呈する.
●診断法にはベッドサイド検査としてHomans徴候,Lowenburgテストがあり,脈波法としてストレンゲージ脈波,光電脈波,空気脈波が用いられる.
●Duplex scanningは静脈のBモード,カラードプラにより静脈の閉塞,逆流の評価のみならず,血流動態の評価が可能である.本法は非侵襲的で,反復検査が可能であり,静脈疾患の診断法の主流となりつつある.
●静脈造影は現時点では検査のgold standardである.
●本症の治療のゴールは,急性期における症状の寛解と肺塞栓症の防止,および慢性期における静脈血栓後症候群としての慢性静脈不全の防止である.
●治療に際しては一般状態,症状の程度,発症原因および時期,血栓の存在部位,肺塞栓の有無などを考慮する.
●血栓溶解療法とそれに続く抗凝固療法は必須であり,カテーテル血栓溶解療法を第一選択とする.重症例および有痛性青股腫に対しては血栓摘除術を考慮する.
●肺塞栓予防として下大静脈フィルターの挿入は有効な方法である.
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