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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻6号

1998年06月発行

文献概要

今月の主題 カルシウム・骨代謝異常症と骨粗鬆症 カルシウム・骨代謝異常症理解のための基礎知識

カルシウム代謝異常症への臨床的アプローチ

著者: 滋野長平1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院放射線部

ページ範囲:P.985 - P.988

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ポイント
●ヒトは陸生生物であるため,ミネラル成分はすべて外部環境から体内に取り込む必要がある.
●Caホメオスタシスの中核を成す装置はCa受容体である.そして,Caホメオスタシスを調節する重要な全身性ホルモンとして,副甲状腺ホルモン(PTH)や1,25ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)2D)などが進化してきた.
●カルシトニンは,少なくとも胎生期を除いてCa調節ホルモンとしての生理的な役割をもっていない可能性が高い.
●血中全Ca濃度や補正Ca濃度がイオン化Ca濃度の指標となりうるのは,血液pHや血漿蛋白のCa結合能に異常のない場合に限られる.
●人体は負のCaバランスに傾きやすい.
●Caホメオスタシスの調節にはshort-loopとlong-loopの制御機構があり,骨からのCa動員が補償されるのは,腸管からのCa吸収が十分ある場合に限られる.
●高Ca血症刺激に対する制御機構では腎機能がネックになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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