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文献概要
今月の主題 カルシウム・骨代謝異常症と骨粗鬆症 高カルシウム血症
高カルシウム血症の発症機序と鑑別診断
著者: 稲葉雅章1
所属機関: 1大阪市立大学医学部第2内科
ページ範囲:P.996 - P.998
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●高Ca血症の原因疾患のうち,原発性副甲状腺機能亢進と悪性腫瘍によるものが90%以上を占める.それゆえ,鑑別診断はこの2つの除外から始めると効率がよい.
●血中Ca調節機序をよく知ったうえで高Ca血症の発症機序を理解すると,鑑別診断が容易となる.すなわち,腸管のCa吸収亢進,骨吸収の増大がその主因である場合,血中Ca上昇に加え,Pの上昇もみられる.血中Caが12.0mg/dlを超えている場合には,腎からのCa排泄が低下している.PTH,PTHrPの産生が増大している場合には,高Ca血症発症の主因は腎からのCa排泄低下であり,この場合血中P濃度は低下する.
●高Ca血症の原因疾患のうち,原発性副甲状腺機能亢進と悪性腫瘍によるものが90%以上を占める.それゆえ,鑑別診断はこの2つの除外から始めると効率がよい.
●血中Ca調節機序をよく知ったうえで高Ca血症の発症機序を理解すると,鑑別診断が容易となる.すなわち,腸管のCa吸収亢進,骨吸収の増大がその主因である場合,血中Ca上昇に加え,Pの上昇もみられる.血中Caが12.0mg/dlを超えている場合には,腎からのCa排泄が低下している.PTH,PTHrPの産生が増大している場合には,高Ca血症発症の主因は腎からのCa排泄低下であり,この場合血中P濃度は低下する.
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