icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻1号

1999年01月発行

文献概要

今月の主題 抗菌薬の適切な使い方 抗菌薬を適切に使うために知っておくべきポイント

各種の主要感染症の起因菌と初期治療(empiric therapy)

著者: 古川恵一1

所属機関: 1聖路加国際病院内科感染症科

ページ範囲:P.18 - P.25

文献購入ページに移動
 各種の感染症の患者を治療する際には,まずその感染症の起因菌を推定することが必要である.そしてその推定される起因菌(群)をカバーするような適切な抗菌薬を選択して,empiric therapyを開始する.特に重症感染症では,起因菌に抗菌力をもたない抗菌薬による初期治療が行われると,患者の予後に重大な不良な影響をもたらす.一方,過剰に広域のスペクトラムの抗菌薬(カルバペネム,第3,第4世代セファロスポリンなど)を頻回に用いると,薬剤耐性菌の出現と二次感染のリスクを高める.したがって各種感染症の起因菌について,一般的にはどのような起因菌の頻度が高く,それらの菌に対してどのような抗菌薬が有効であるか,ある程度の知識をもつことが必要である.そして,その患者についてはどの菌が起因菌として最も考えられるか検討したうえで,各症例ごとに適切な抗菌薬を初期治療薬として選択することが大切である.
 表1に,各種の主要感染症の起因菌(群)と,empiric therapyとして選択すべき抗菌薬を示す.なお,ここに示すガイドラインは聖路加国際病院で用いているものであるが,各施設によって各種感染症の起因菌の分離状況と薬剤感受性および採用薬は多少異なっており,すべての施設で適用されるものではない.基本的な考え方を参考にしていただき,各施設で各症例に応じた適切な初期治療を行うために役立てていただければ幸いである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら