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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

一般検査 尿検査

尿量/尿比重/色調/尿pH

著者: 堀尾勝1 折田義正2

所属機関: 1大阪大学医学部病態生体情報学 2甲子園大学栄養学部

ページ範囲:P.58 - P.61

文献概要

尿量/尿比重(尿浸透圧)/色調
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 腎は食事摂取,飲水,不感蒸泄,発汗,嘔吐,下痢など体液組成・量の変化に応じて尿の希釈・濃縮を行っている.尿浸透圧は50〜1,200mOsm/kg,尿比重は1.002〜1.040,尿量は500〜12,000mlの広い範囲をとりうる.このため尿量,尿浸透圧,尿比重の評価では絶対値が異常かどうかではなく,どのような病態を反映しているのかが重要である.
 生理的条件下では,尿量・尿浸透圧は抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone:ADH)により調節されている.飲水制限などにより血清浸透圧が上昇するとADH分泌が増加し,尿細管における水の再吸収増加により尿は濃縮され,尿量は減少する.反対に飲水により血清浸透圧が低下するとADH分泌が減少し,水の再吸収を減少させ多尿となる.尿の濃縮にはこのADHによる調節と正常な腎で認められる皮質から髄質への浸透圧勾配が必要であり,両者のいずれかが障害されると尿濃縮力低下による多尿をきたす(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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