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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

一般検査 尿検査

尿糖

著者: 坂本敬子1 阪本要一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院総合内科

ページ範囲:P.66 - P.69

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 尿糖とは,単糖類のブドウ糖,果糖,ガラクトース,ペントース(五炭糖)や,二糖類の蔗糖,乳糖など尿中に出現する糖類を総称していう(表1).1950年代までは糖の還元作用を応用した検査が用いられていたので乳糖尿なども検出できたが,現在ではブドウ糖に特異的な検査法を用いており,ブドウ糖尿以外は検出できない状況になっている.したがって現在の尿糖検査は,主として糖尿病のスクリーニングおよび治療の経過観察,治療効果の評価に臨床的意義がある.
 血中のブドウ糖は蛋白と遊離して存在するため,糸球体基底膜で完全に濾過され(濾液/血漿濃度比=1),その後,ほぼ100%が近位尿細管のNa/glucose cotransporterで,Naとともに再吸収される.これは,細胞内外のナトリウムイオンの濃度勾配(尿細管腔と尿細管上皮細胞内のNa+の差)を利用し,これと共役した形で尿中のブドウ糖を吸収するしくみによる.この現象は血漿ブドウ糖濃度を上げていくとある一定値(TmG:尿細管再吸収極量)で頭打ちとなり,以後尿糖は直線的に上昇する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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