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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 一般検査 尿検査

尿ケトン体

著者: 阪本要一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院総合内科

ページ範囲:P.70 - P.72

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 ケトン体はアセト酢酸(acetoacetate:AcAc),β-ヒドロキシ酪酸(3-hydroxybutyrate:3-OHBA)およびアセトンの総称である.ケトン体は主として肝において脂肪酸より生成され,正常人でもごく微量は尿中に排泄されるが,試験紙法で陽性になることはない.
 絶食,インスリン作用不足,カテコールアミン上昇時などで,糖質からのエネルギー供給が不足すると生体は脂肪からエネルギー産生を行うことになり,脂肪分解が亢進し血中遊離脂肪酸(FFA)が増加する.FFAは肝ミトコンドリア内でβ酸化されアセチルCoAとなる.このアセチルCoAからAcAcが生成され,さらに3-OHBA,アセトンへと代謝される.AcAcや3-OHBAは糖質の代わりに骨格筋,心筋,腎などで代謝されエネルギー源となるが,糖質の不足状態が著しいと脳細胞もこれらを利用する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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