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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 一般検査 尿検査

尿ビリルビン,尿ウロビリノーゲン

著者: 桑島実1

所属機関: 1香川県立中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.74 - P.75

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 1.ビリルビン,ウロビリノーゲンの代謝経路ビリルビンの70〜80%は赤血球内ヘモグロビンのヘム,残りは筋肉内のミオグロビンやその他のヘム蛋白に由来する.ヘムは主に脾の貪食細胞で処理され,ポルフィリン環が開環し,非抱合型ビリルビンに変化する.非抱合型ビリルビンはアルブミンと強固に結合しているため腎糸球体からは濾過されず肝臓に運ばれ,肝細胞小胞体に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受け抱合型ビリルビンになり,胆管を経て十二指腸乳頭から腸管内へ排泄される.抱合型ビリルビンの一部は血液中へも移行し,大部分がアルブミンと結合するが,約1%は結合していないため容易に腎糸球体で濾過され尿中へ排泄される.一方,腸管内へ排泄された抱合型ビリルビンは大腸内常在細菌のグルクロニダーゼにより脱抱合と還元を受け,L型(ステルコビリノーゲン),I型(メゾビリルビノーゲン),D型ウロビリノーゲンになる.ウロビリノーゲンの約80%は糞便中へ排泄されるが,約20%は腸管から吸収され,門脈を経て肝細胞に取り込まれた後,再びビリルビンとなって腸管内へ排泄される(腸肝循環).一方,血液中のウロビリノーゲンの一部(主にL型,次いでI型)は腎を通り尿中へ排泄される(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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