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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 一般検査 尿検査

尿潜血

著者: 矢内充1

所属機関: 1日本大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.82 - P.84

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 尿潜血反応は,通常試験紙による定性反応で行われる.測定原理を簡単に述べると,ヘモグロビンのペルオキシダーゼ様活性によって,試薬の過酸化物が活性酸素を遊離させ,この活性酸素によって還元型色原体が酸化型色原体となり,発色するものをみるものである.尿試験紙には溶血剤も含まれており,尿中に赤血球が認められる場合,試験紙に触れることにより溶血が起き,遊離したヘモグロビンが上記の反応を起こすことになる.ペルオキシダーゼ様反応は,ヘモグロビンのほか,ミオグロビンでも同様の反応が起きる.
 本検査は非常に鋭敏であり,尿沈渣での赤血球3〜5/HF,またはヘモグロビン(もしくはミオグロビン)15μg/dlで陽性となる.健康診断にて行われる尿検査にて,尿潜血の陽性率は男性で2〜7%,女性で7〜21%と非常に高率であることが報告されている.しかし,二次検査にて明らかな原因の特定ができるものは陽性者の40%にすぎず,治療を必要とするものは,そのうちのさらに40%弱であることが示されている.すなわち,健康診断での尿潜血陽性者のうち80%以上は正常もしくは経過観察という結果になるが,陽性患者のうちで1〜2%の頻度で尿路系の悪性腫瘍が含まれていることも示されており1),決して無視できない検査項目であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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