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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 一般検査 尿検査

尿沈渣

著者: 矢内充1

所属機関: 1日本大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.86 - P.90

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 臨床所見から腎尿路系の疾患を疑うときや,健康診断などによる尿定性検査で何らかの異常がみられたとき,尿沈渣を観察することにより様々な情報が得られることがある.現在,尿沈渣検査の方法は,JCCLS(日本臨床検査標準協議会)により標準法が提唱されている1).その概略を述べると,新鮮尿10mlをスピッツにとり,500G,5分間の遠心後,上清を除去し,残存する沈渣のうち約15μlをスライドグラス上に滴下し鏡検するということである.鏡検の際には無染色で観察する場合と,Sternheimer染色などの生体染色を行う場合がある.
 尿沈渣には様々な有形成分が観察されるが,大きく分類して,循環血液由来の血球成分,剥離した腎尿路系の上皮細胞,腎の尿細管・集合管で形成された円柱類,尿路感染に伴う微生物類,代謝産物に由来する結晶成分・塩類が含まれる.実際に検査室では,30種以上に及ぶ沈渣成分を分類している(表1,図1)が,常に病的意義をもつものではなく,量的,質的な解釈が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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