icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

血液検査 凝固/線溶系検査

APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)

著者: 福武勝幸1 高橋陽子1 馬場百合子2

所属機関: 1東京医科大学臨床病理学 2東京医科大学中央検査部

ページ範囲:P.150 - P.153

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 APTTは主に出血傾向の有無を診断するための検査法で,被検血漿に血小板膜の代わりのリン脂質を十分に補い,接触因子を十分活性化させる添加物を加えて,さらにカルシウムイオンを添加して血漿が凝固するまでの時間を測定するものである.この検査は内因性凝固因子群と共通性凝固因子群の複合した反応を測定する方法であり,関連する凝固因子が単独または複合して欠乏すると,凝固するまでの時間が延長する.
 一般的には外因性凝固因子と共通性凝固因子群の反応を測定するプロトロンビン時間(PT)とAPTTを組み合わせることにより(図1),血液凝固異常のスクリーニング検査とされている.凝固因子の欠乏原因が先天性疾患である場合は単独の欠乏である場合がほとんどであり,APTTが著明に延長し,PTが基準範囲内の場合は内因性凝固因子のうちのどれかの異常であり,PTが著明に延長し,APTTが基準範囲内の場合は外因性凝固因子の異常であり,両者が著明に延長した場合は共通性凝固因子のうちのどれかの異常であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら