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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

吻合部胃潰瘍発症と同時期にEDTA依存性偽血小板減少症を呈した1例

著者: 藤原隆一1

所属機関: 1田中病院内科

ページ範囲:P.161 - P.161

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 症例は52歳の男性.会社の健康診断で肝機能異常を指摘され,精査加療のため来院した.特記すべき自覚症状はなく,血液検査で軽度のGOT,GPT,γ-GTPの高値を認めたが,血清蛋白値,血清脂質値,血小板数は正常であった.上部消化管内視鏡検査で胃前庭部小彎側にBorrmann I型の胃癌が発見され,直ちに胃切除術を施行した.術後経過は順調で,肝庇護剤と禁酒により肝機能は正常化した.胃切除術8カ月後に上腹部不快感が出現し,上部消化管内視鏡検査を行ったところ吻合部胃潰瘍あり,同時に施行した血液検査で血小板減少と軽度の白血球増多を認めた.消化性潰瘍治療薬を追加投与し経過をみたが,その後も血小板減少(約20×104/μlから2〜4×104/μlへと減少)は引き続き認められた.血液塗抹標本(May Giemsa染色)を観察すると,10〜20個の血小板がフィブリン形成を伴わず凝集し,白血球とほぼ同じ大きさの凝集塊が散在性に認められた.EDTA依存性偽血小板減少症(EDTA-PTCP症)の可能性を考え,①EDTA-2K管,②EDTA-3K管,③FC管(クエン酸,EDTA-2Na,NaF添加),④ヘパリン-Na管の4種類の採血管を使用して採血し,①〜④における血小板数と白血球数を自動血球計数器で測定した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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