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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液検査 凝固/線溶系検査

SFMC(可溶性ブイブリンモノマー複合体)

著者: 岡鳴研二1

所属機関: 1熊本大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.166 - P.167

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 可溶性フィブリンモノマー複合体(soluble fibrin monomer complex:SFMC)は,大量のトロンピンによってフィブリノゲンから生成した過剰なフィブリンが,高分子物質であるフィブリノゲン,フィブリン分解産物,およびフィブロネクチンを結合し,複合体を形成したものである(図1).すなわち,SFMCが血中で検出されれば,過剰なフィブリン形成が引き起こされたことを意味する.
 いろいろな病態で,凝固系の活性化が惹起されると,トロンビンが形成され,それに伴い,トロンビン-アンチトロンビン複合体,フィブリノペプチドA,およびプロトロンビンフラグメント1十2などが生成される.しかし,これらのマーカーは,トロンビン生成のマーカーであり,決して血栓形成のマーカーではない.これに対して,可溶性フィブリンやSFMCが血中で検出されれば,これは血栓が形成されたことを意味する(図2).血栓が形成されても,線溶活性が低下していると,FDP濃度は上昇しないことがあるが,SFMC検出は,このような場合でも,血栓形成の指標となりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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