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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液検査 凝固/線溶系検査

PIC(プラスミンープラスミンインヒビター複合体)

著者: 小山高敏1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科

ページ範囲:P.168 - P.168

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 血液凝固反応が活性化され,フィブリン(線維素)が析出すると,フィブリンにプラスミノゲンアクチベータ(plasminogen activator:PA)が結合して,フィブリン分子上に結合したプラスミノゲンを活性化する.活性化で生じたプラスミンは即座にフィブリンを分解するように働く.この線維素溶解(線溶)機構は,(血漿)プラスミンインヒビター〔(plasma)plasmin inhibitor:PI,(従来α2-plasmin inhibitorないしα2-antiplasminと呼ばれた)〕とPA inhibitor(PAI)によって制御されている.PIは,プラスミノゲンのフィブリンへの結合を阻害し,また活性化XIII因子によってフィブリンに架橋結合し,フィブリン上で結合したプラスミンを即座に不活化する(次項の図1参照).フィブリン融解を行う二次線溶の制御において,フィブリンに結合していない遊離のPIは,フィブリンに架橋結合したPIに比較して,はるかに弱い働きしかしていないが,循環血液中に存在するプラスミンを即座に不活化し,フィブリンが析出していない状態での線溶反応を抑えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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