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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液検査 凝固/線溶系検査

t-PA/t-PA・PAI-1複合体(組織性プラスミノゲンアクチベータ・プラスミノゲンアクチベータインヒビター1複合体)

著者: 小山高敏1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科

ページ範囲:P.170 - P.171

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 血栓表面上(固相)では,プラスミノゲン(plasminogen:PLG)が,フィブリン親和性の高い組織型プラスミノゲンアクチベータ(tissue-type plasminogen activator:t-PA)によって活性化され,プラスミンに変換されて線溶を起こす.T-PAは,血栓中の血小板から放出されたプラスミノゲンアクチベータインヒビター(PA inhibitor-1:PAI-1)によって不活化されるが,循環血中のt-PAより阻害を受けにくい.プラスミンは,フィブリンに架橋結合したプラスミンインヒビター(plasmin inhibitor:PI)(前項p168参照)によって阻害され,線溶過剰が抑えられている.循環血液中(液相)では,二本鎖ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(urokinase-type PA:u-PA)がPLGを活性化するが,血管内皮細胞から分泌されたPAI-1によって阻害され,生じたプラスミンも速やかにPIによって不活化される(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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