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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

自動血球分析装置と血小板数

著者: 小野敬司1

所属機関: 1大分市医師会立アルメイダ病院血液内科

ページ範囲:P.173 - P.173

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 自動血球分析装置では,血小板数に誤差を生じる要因がいくつか想定される.①血小板凝集による見かけ上の減少,②巨大血小板がカウントされないための血小板数減少,③破砕赤血球を血小板としてカウントするための見かけ上の増加,などである.
 実際に遭遇したケースを紹介する.まず最初の症例は,20歳男性.血小板数15,000/μlということで近医より紹介入院となった.入院時出血傾向を全く認めず,塗抹標本上血小板凝集像を認めたため,抗凝固剤としてそれぞれEDTA-2Na,クエン酸Naを用いた採血を行い,前者は53,000/μl,後者は132,000/μlと解離を示した.この症例はEDTA凝集による偽性血小板減少と考えられた.また,ほかにも外来患者で,健診にて血小板数3万台を指摘され来院,クエン酸採血で20万台と正常範囲であった症例も経験した.この方は数年前にも健診で血小板減少を指摘され,某医で特発性血小板減少性紫斑病としてステロイド投与された既往があった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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