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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 蛋白

α1-マイクログロブリン,β2-マイクログロブリン

著者: 伊藤喜久1

所属機関: 1自治医科大学臨床病理

ページ範囲:P.196 - P.197

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異常値のメカニズムと臨床的意義
 α1-マイクログロブリン(α1-m)は分子量が3万の糖蛋白で,主にAGEの担送機能を有するとされる.一方,β2-マイクログロブリン(β2-m)は1万1千でHLA抗原のL鎖を構成し,ウィルス感染他の免疫応答に関与する.前者は主に肝細胞で,後者は全身の有核細胞,殊に免疫担当細胞,肝細胞などから産生される.異化動態は共通で,低分子蛋白であるためきわめて短時間に血清から腎糸球体基底膜で濾過され,近位尿細管細胞で再吸収,異化され,ごくわずか尿中に排泄される.血清α1-mではさらに血中IgA,プロトロンビン,アルブミンなどと結合存在するものが約50%を占める.ここでの異化の機序はいまだ明らかでない.
 したがって,α1-m,β2-mの血中濃度は,腎前性の産生能,腎による異化処理能,およびα1-mについては結合蛋白の濃度の動態により左右される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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