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文献概要
けんさ—私の経験
膠原病+APTT延長=抗リン脂質抗体症候群?
著者: 都留智巳1
所属機関: 1筑豊労災病院内科
ページ範囲:P.199 - P.199
文献購入ページに移動患者は58歳,女性.1983年来,多発性筋炎,間質性肺炎のため外来にて治療中であった.1997年7月8日,左前腕,背部に紫斑出現し来院.末梢血液検査では血小板数24.6万/μlと正常,凝固系検査ではPT 10.4secと正常であったがAPTT 93.6secと延長を認めた.凝固因子の検査ではFVIII抗原19.8%,FVIII活性<1%とFVIII活性の著明な低下を認めたが,他の内因系凝固因子活性はいずれも正常であった.FVIIIインヒビターを調べたところ19BU/mlと高値であり,FVIIIインヒビターによる出血傾向と診断した.FVIII製剤,FVII製剤の投与では症状のコントロールができず,血漿交換にてようやく治療しえた.
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