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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 蛋白

α2-マクログロブリン

著者: 狩野有作1 大谷英樹1

所属機関: 1北里大学医学部臨床病理学

ページ範囲:P.200 - P.201

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 α2マクログロブリン(α2 macroglobulin:α2M)は,単球・マクロファージ系の細胞などで産生される分子量72,000の糖蛋白である.血中に最も多い蛋白分解酵素阻害蛋白(protease inhibitor)として,多くの蛋白分解酵素(protease)の活性を阻害することにより,血液凝固,線溶系,炎症反応などに関与している.
 血中α2Mの減少する病態はあまり多くはない.DICでは,形成されたα2 M-plasmin複合体が網内系で消費され,α2Mが低下すると考えられている.急性膵炎では,trypsinと結合し消費するとされる.骨転移を伴う前立腺癌では,血清α2Mが約20mg/dl以下に著減すること(α2M欠損症)があり,本症に特異的なものと考えられ,その機序としては,前立腺組織より放出されるPSA,urokinaseなどのproteaseとα2Mのcomplexの形成による異化の亢進が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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