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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 蛋白

ハプトグロビン

著者: 小林正之1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院総合内科

ページ範囲:P.206 - P.207

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生理的意義と異常値の出るメカニズム
 ハプトグロビン(haptoglobin:Hp)は糖蛋白で,2個の軽(α)鎖と,ヘモグロビン(Hb)の結合部位である2個の重(β)鎖で構成されている.α鎖には遺伝的多型性があり,ポリアクリル電気泳動によりHp 1-1(日本人での出現頻度は6.5%),Hp 2-1(35.2%),Hp 2-2(57.6%)の3亜型に分類される.
 Hpはキモトリプシンファミリーに属する急性相反応蛋白であるが,蛋白分解酵素活性はない.産生部位は肝実質細胞であるが,リンパ球培養上清にも認められる.IL-1,IL-6,ステロイドホルモン刺激で産生は亢進し,CRPよりも約1日遅れて異常高値を示すが,急性相蛋白としての生理的意義は明らかではない.しかしα鎖がPHAなどによるリンパ球の幼若化反応を抑制することから,免疫抑制作用を有するものと推察されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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