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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

血液生化学検査 蛋白

補体

著者: 狩野有作1 大谷英樹1

所属機関: 1北里大学医学部臨床病理学

ページ範囲:P.213 - P.215

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 血清甲の補体(compliment:C)はC1〜C9の11種類の蛋白成分をはじめ,補体制御因子を含めると20種類近い成分から構成される.そして通常は活性のない前駆体(zymogen)として存在する.
 補体成分は主に肝臓で生成され,細網内皮系,陽管上皮細胞などでも産生される.その機能として,抗体の防御作用を補強する重要な役割がある.生体内で抗体が存在すると細菌などの細胞膜上の抗原に結合し,抗原抗体複合物を形成する.これが補体系を活性化し,病原体に結合した補体はマクロファージや多核白血球などの食細胞による貪食能を促進させる(オプソニン作用:opsonization).また,活性化された補体は,病原体の細胞膜に穴を開け溶解させることもある.したがって,補体成分の欠損症ではしばしば易感染性を呈し,広義の体液性免疫不全症に属する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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