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文献概要
けんさ—私の経験
研修医時代に経験した症例から
著者: 小橋吉博1
所属機関: 1川崎医科大学附属川崎病院内科
ページ範囲:P.231 - P.231
文献購入ページに移動 私どもの施設は市中総合病院という性格上,救急疾患を含め,内科全般にわたる疾患に遭遇する.特に夜間の救急患者に対しては,施行できる検査項目が限定されているため,まず患者の全身状態を把握することも兼ねて,末梢血,化学スクリーニング,ミネラルといった項目を必ず検査することにしている.こういった検査項目が非常に役立った症例を1例経験したので報告する.
症例は60歳,男性.既往歴に特記すべきことはなく,心窩部痛を主訴として来院.胃を中心として消化器疾患を疑い,腹部X線検査,超音波検査を施行したが,異常所見を検出しえず,他の疾患を考慮しようかと思っていた矢先に血液検査の結果が返ってきた.その結果をみると,白血球数,CPK,GOT,LDHの上昇がみられたため,急性心筋梗塞をとっさに思い出し,心電図をとったところ,II,III,aVFの誘導で軽度ST上昇が認められたため,下壁梗塞と診断しえた.私の場合,専門領域が呼吸器,感染症領域であるとはいえ,特に下壁梗塞の場合,放散痛として心窩部に痛みとして感じることもありうるということを教科書では習っていたものの,改めて教訓になりえた貴重な症例であった.
症例は60歳,男性.既往歴に特記すべきことはなく,心窩部痛を主訴として来院.胃を中心として消化器疾患を疑い,腹部X線検査,超音波検査を施行したが,異常所見を検出しえず,他の疾患を考慮しようかと思っていた矢先に血液検査の結果が返ってきた.その結果をみると,白血球数,CPK,GOT,LDHの上昇がみられたため,急性心筋梗塞をとっさに思い出し,心電図をとったところ,II,III,aVFの誘導で軽度ST上昇が認められたため,下壁梗塞と診断しえた.私の場合,専門領域が呼吸器,感染症領域であるとはいえ,特に下壁梗塞の場合,放散痛として心窩部に痛みとして感じることもありうるということを教科書では習っていたものの,改めて教訓になりえた貴重な症例であった.
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