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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 炎症マーカー

シアル酸

著者: 森三樹雄1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院臨床検査部

ページ範囲:P.232 - P.233

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 シアル酸(sialic acid)は,ノイラミン酸(neuramic asid)のアセチル誘導体化合物の総称である.生体内ではシアル酸の大部分が,糖蛋白または糖脂質で作られており,糖蛋白にシアル酸が結合したものはシアロ糖蛋白と呼ばれ,血漿,分泌液,細胞膜表面などに存在する.血漿中では急性相反応物質と呼ばれるα1-酸性糖蛋白,α1-アンチトリプシン,ハプトグロビン,CRP,SAA,セルロプラスミン,フィブリノーゲンなどがあるが,α1-酸性糖蛋白,α1-アンチトリプシン,ハプトグロビンは糖蛋白にシアル酸が結合した形で存在している.炎症や組織破壊を伴う疾患では,これらの糖蛋白が増加するため,シアル酸の量も増える.
 血清シアル酸値の変動に関与する糖蛋白群はインターロイキン1,インターロイキン6,腫瘍壊死因子,インターフェロンなどである.シアル酸の合成はグルココルチコイドにより修飾される.シアル酸含有蛋白の半減期は2〜4日と短い.シアル酸は他の急性相反応物質と同様に感染症,慢性関節リウマチなどの炎症性疾患および悪性腫瘍,心筋梗塞,肺梗塞による広範な組織破壊が起こるときに高値を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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