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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

けんさ—私の経験

高LDH血症,軽度AFP高値を伴い間欠的に発熱を繰り返す26歳の男性

著者: 飯田正人1

所属機関: 1兵庫県立西宮病院内科

ページ範囲:P.238 - P.238

文献概要

 〔症例〕26歳,男性.最近1カ月間に3回,突然2〜3日持続する39℃の発熱を認め来院.理学所見上,胸腹部に異常なく,腫瘤,表在リンパ節腫大,肝脾腫を認めず.腹部CTで後腹膜リンパ節腫大を認めた.血液検査で,WBC 6,300/μl(分類正常),RBC 445万/μl,Hb 14.3g/dl,Plt 30.9万/μl,GOT 11IU/l,GPT 7IU/l,ALP 136IU/l,γ-GTP 16IU/l,LDH 2,913IU/l(LDH1が58.7%で優位),TP 7.3g/dl,Alb 3.7g/dl,CRP 8.6mg/dl,血沈 66mm/hr,HBs-Ag(-),HCV-Ab(-),AFP 39.0ng/ml.検査値の異常のポイントとして,①LDH高値,②CRPと血沈の炎症反応陽性,③肝障害がないと考えられるにもかかわらずAFP軽度高値,が挙げられる.その後の検査で,妊娠反応陽性,β-HCG(human chorionic gonadotropin)840ng/mlと高値であった.結局,診断は右精巣腫瘍とその後腹膜リンパ節転移であった.AFPは肝疾患が存在しない場合,軽度でも異常高値を示すことはまずない.肝疾患が存在しないAFP高値は,精巣腫瘍などのemblionic originの腫瘍の存在も疑ってみる必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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