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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 炎症マーカー

顆粒球エラスターゼ(GEL)

著者: 島貫公義1 櫻林郁之介2

所属機関: 1総合会津中央病院外科 2自治医科大学附属大宮医療センター臨床病理

ページ範囲:P.240 - P.241

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 顆粒球アズール顆粒に局在する顆粒球エラスターゼ(granulocyte elastase:GEL)は非特異的中性蛋白分解酵素であり,細胞外マトリクスを構成するコラーゲン,不溶性エラスチン,プロテオグリカンや血漿蛋白,補体成分,免疫グロブリンの一部など多くの生体構成成分を標的とし,生体機能に影響を及ぼす.そのため,正常生体の血液・組織液中にはGEL作用を抑制する大量のα1-プロテアーゼィンヒビター(α1-PI)とα2-マクログロブリン(α2-MG)が存在し,活性型GELの90%がα1-PI,10%がα2-MGと結合してGELを不活化し,生体を保護している.現在は活性のないGEL-α1-PIの複合体量を免疫学的に測定し,局所侵襲により産生されたケミカルメディエータにより顆粒球が活性化され,GELが放出されたことを把握することができ,顆粒球を活性化した病態,および大量のGEL放出に伴う生体侵襲・組織傷害の程度を推測することができる(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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