icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 窒素化合物

窒素化合物の代謝総論

著者: 吉村学1 藤田直久1 稲葉亨1

所属機関: 1京都府立医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.245 - P.247

文献購入ページに移動
窒素化合物の内訳1)
 血中の窒素化合物は,蛋白質と非蛋白窒素(non-protein nitrogen:NPN)よりなる.NPNは血清の除蛋白窒素成分という意味で,残余窒素(restnitrogen:rest N)とも呼ばれる.NPNは尿素,尿酸,クレアチニン,クレアチン,アミノ酸,アンモニア,インジカン,その他の微量成分よりなる.尿素窒素(blood urea nitrogen:BUN)は健常者NPNの45〜50%を占めるが,腎不全NPNの80〜90%を占める.血中NPNの増加を窒素血症(azotemia)と呼ぶ.
 尿中NPNの85%は尿素窒素であり,次いでクレアチニン,アンモニア,尿酸,アミノ酸,クレアチン,その他よりなる.尿素窒素とアンモニアは蛋白代謝,クレアチニンとクレアチンは筋肉のクレアチン代謝,尿酸はプリン核酸代謝のそれぞれ終末代謝産物であり,いずれも腎を介して尿中に排泄される.これらの物質の血中濃度や尿中排泄量は,食事蛋白量,体内での同化と異化,腎からの排泄などにより影響される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?