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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 窒素化合物

クレアチン/クレアチニン

著者: 成川暢彦1 秋澤忠男1

所属機関: 1和歌山県立医科大学附属病院血液浄化センター

ページ範囲:P.257 - P.259

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 クレアチンは,腎でグリシンとアルギニンからトランスアミジナーゼにより合成されたグアニド酢酸が,肝でメチルトランスフェラーゼの作用により活性メチオニンからメチル基が転移されて合成される.その大部分は筋肉に存在し,クレアチンキナーゼ(CK)の作用により,高エネルギー化合物のクレアチンリン酸に合成され,体内エネルギーの役割を果たす.クレアチンは,腎糸球体から濾過され,大部分が尿細管で再吸収されるため,尿中にはほとんど排泄されない.クレアチニン(Cr)は,筋肉内で非酵素的にクレアチンの脱水によって生成され,ADPにリンを供給してATP生成に関与している(図1).クレアチニンは血中に出現する代謝最終産物で,腎糸球体から濾過された後,ほとんど再吸収されずに尿中へ排泄される.つまり,血清クレアチニン濃度はクレアチニンの産生とその尿中排泄のバランスによって決定される.血清クレアチニン濃度は腎排泄機能の代表的指標であるが,理論的には,代謝経路となる筋,腎,肝のいずれの異常においても,尿中,血清のクレアチン,クレアチニン値は変動する可能性がある.また,クレアチニンには,加齢による変化や性差,筋肉運動量や発育の影響が認められる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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