icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

血液生化学検査 窒素化合物

クレアチニンクリアランス(Ccr)

著者: 北端有紀子1 秋澤忠男1

所属機関: 1和歌山県立医科大学附属病院血液浄化センター

ページ範囲:P.260 - P.262

文献概要

臨床的意義
 クレアチニンクリアランスは,糸球体濾過率(glomerular filtration rate:GFR)の指標として,腎機能や残腎機能の評価,腎不全症例における投薬量の調節などの目的で,外来,入院患者に広く測定されている.
 溶質Xのクリアランス(Cx)とは,1分間の尿量(V)とその尿中の濃度(Ux),およびそのときの血中濃度(Px)から,の計算式で求められる.これは,1分間に除去された物質の量は,もとの血漿量にしてどれだけに相当するか(ml/min)を意味する値である.したがって,糸球体基底膜を自由に通過し,尿細管から再吸収も分泌もされず,さらに腎臓で合成も分解もされない,という条件を満たす物質のクリアランスが,正確にGFRを反映する.この条件を満たす物質としてイヌリンがあるが,生体には存在しない物質で,体外からの投与が必要である.一方,クレアチニンは生体内物質で,一部尿細管での分泌を受け,正確なGFRは反映し得ないが,外部からの負荷を必要としないという利点がある.このため臨床ではクレアチニンクリアランスが,便宜上腎機能(GFR)の代替的指標として用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら