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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 酵素および関連物質

ビリルビン

著者: 高木康1

所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.272 - P.273

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異常値が出るメカニズムと臨床的意義
 血中のビリルビンの大部分は,脾臓をはじめとする網内系で破壊される赤血球中のヘモグロビンに由来し,図1に示す経路で代謝される.すなわち,ヘモグロビンが分解されてできたヘム蛋白から鉄が遊離してビリルビンとなる.網内系から血中に放出されたビリルビンはアルブミンと結合(間接ビリルビン)し,血流中を移動して肝臓に達する.肝細胞内では主にグルクロン酸と抱合し,抱合型(直接)ビリルビンとなり,胆汁成分として十二指腸に排泄される.
 このような一連のヘム・ビリルビン代謝系で,①赤血球の破壊亢進,②肝細胞傷害による肝細胞内ビリルビンの血中への遊出,および③胆汁の排泄障害による胆汁中ビリルビンの血流中への逆流,などの機序により血中ビリルビンが高値となる.ビリルビンが高値(2〜3mg/dl以上)となると皮膚や粘膜が黄染するため,これを黄疸という.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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