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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 酵素および関連物質
ALP(アルカリ性ホスファターゼ)とそのアイソザイム
著者: 菅野剛史1
所属機関: 1浜松医科大学臨床検査医学
ページ範囲:P.287 - P.289
文献購入ページに移動異常値の出るメカニズムと臨床的意義
アルカリ性ホスファターゼ(ALP)は細胞膜に局在する酵素であるから,細胞からの逸脱ではなく,細胞での産生の上昇が血清中でのALPの上昇の原因となる.薬物性肝障害での肝由来ALPの上昇は,薬物誘導性の膜酵素活性の上昇による機序であり,甲状腺疾患などでの骨由来ALPの上昇は,骨芽細胞に対する甲状腺ホルモンの刺激作用によるALPの産生増加によるものである.今日では,アイソエンザイム分析が日常診療に利用されるようになり,由来臓器の判別は比較的容易となっている.
このように,この酵素活性の血清中の増加はあくまでも産生増加を背景としたものであり,アイソザイム分画による臓器診断も分画法が確実であれば比較的容易である.
アルカリ性ホスファターゼ(ALP)は細胞膜に局在する酵素であるから,細胞からの逸脱ではなく,細胞での産生の上昇が血清中でのALPの上昇の原因となる.薬物性肝障害での肝由来ALPの上昇は,薬物誘導性の膜酵素活性の上昇による機序であり,甲状腺疾患などでの骨由来ALPの上昇は,骨芽細胞に対する甲状腺ホルモンの刺激作用によるALPの産生増加によるものである.今日では,アイソエンザイム分析が日常診療に利用されるようになり,由来臓器の判別は比較的容易となっている.
このように,この酵素活性の血清中の増加はあくまでも産生増加を背景としたものであり,アイソザイム分画による臓器診断も分画法が確実であれば比較的容易である.
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