icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 酵素および関連物質

ICG排泄試験

著者: 山田雅哉1 井上和明1 与芝真1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科

ページ範囲:P.306 - P.307

文献購入ページに移動
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 ICG(indocyanine green)は暗緑色の色素で,静注すると速やかに大半がリポ蛋白と結合し,その90%以上が肝細胞に摂取されて,抱合を受けることなく,そのままの形で胆汁中に排泄される.一定量のICG投与後,経時的に血中の残存量の測定を行う.色素の血中より肝臓への摂取速度が,血中における停滞もしくは消失に影響を及ぼす.すなわち,ICG排泄試験は主として肝細胞の色素摂取機能を表し,肝血流量によって大きく左右されることより,有効肝血流量,肝細胞の色素摂取能,排泄能がわかる.
 臨床的には内科的診断としての肝疾患の診断をはじめ,その重症度判定,治癒,予後の判定などに用いられる.また外科的にも手術適応や術式の決定,切除範囲の決定,術後の経過予測など,手術の患者管理面で肝予備能力を定量的に反映する検査法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら