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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

あれ!?HbA1cが低い!?

著者: 片山泰之1

所属機関: 1海上自衛隊八戸航空衛生隊・内科

ページ範囲:P.325 - P.325

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 糖尿病の血糖コントロールの指標として,HbA1cはご存じのように伝家の宝刀的な役割を果たしています.たとえ患者さんが,「いや一,昨日まんじゅうを食べちゃったから血糖値が高いでしょ」などとあらかじめ言い訳を準備してくる理論派の人も,「ふっふっふ,検査の前はちょっと絶食するだけで血糖値なんてすぐに下がっちゃうんだよね」などと帳尻をうまく合わせて褒められたい一心で通ってくる人も,この伝家の宝刀を一振りすれば,たちまち本当のコントロール状態がばれてしまいます.
 しかし,このHbA1cも万能ではありません.ご存じのように,過去1〜2ヵ月間の平均血糖値を表す指標ですから,「1ヵ月こんなに頑張ったのにまだまだ高いわ」と,やる気のある優等生を落胆させたり,「あんなに不摂生したのにこんなものか」などと,不良?患者を安心させてしまうこともあるので,注意が必要です.すなわち,急激に血糖コントロールが増悪・改善した症例には,常にHbA1cにはタイムラグがあることを念頭に置き,血糖値や他のコントロールの指標などと抱き合わせて判断していかなければいけません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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