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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 糖質および関連物質

血中ケトン体

著者: 山田拓1 阪本要一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院総合内科

ページ範囲:P.358 - P.359

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 血中ケトン体には,アセトン,アセト酪酸(acetoacetate:AcAc),βヒドロキシ酪酸(3-hydroxybutyrate:3-OHBA)の3種類があるが,アセトンは代謝されにくく,利用されることなく呼気,尿中へ排泄されるため,血液中は微量であり通常は測定されていない.絶食,インスリン作用不足,カテコールアミン上昇時などで,生体が脂肪からのエネルギー産生を必要とし,脂肪分解が亢進したときに血中遊離脂肪酸(FFA)が増加する.FFAは肝ミトコンドリア内でβ酸化され,アセチルCoAが産生される.アセチルCoAはAcAcと代謝され,さらに3-OHBA,アセトンとなる.特にケトアシドーシス増悪時は,主に3-OHBAが増加し,総ケトン体の約80%を占めるまでになる.このように肝でのケトン体産生亢進のほか,末梢ケトン体利用低下,尿細管機能異常によって血中ケトン体が上昇するとされている.
 以上のように,血中ケトン体は,糖代謝が阻害され脂質代謝が亢進することにより増加するため,糖尿病の病態把握,治療の指標として特に重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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