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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

血液生化学検査 糖質および関連物質

乳酸,ピルビン酸

著者: 戸谷誠之1

所属機関: 1国立健康・栄養研究所母子健康・栄養部

ページ範囲:P.360 - P.361

文献概要

異常値が出るメカニズム
 乳酸(α-オキシプロピオン酸)は,αヒドロキシ酸の一つで,骨格筋,脳および赤血球でのグリコーゲン代謝に始まる解糖系代謝経路の最終産物として,嫌気的にピルビン酸(pyruvate)から産生される.血液中の乳酸濃度は主に肝臓や腎臓,骨格筋における乳酸合成や代謝回転の結果を示す.正常な代謝回転が保たれている場合,乳酸総産生量の約30%は肝臓の糖新生系(Coriの回路)の基質として利用される1).血液中の乳酸は一価の陰イオンとして存在し,ピルビン酸との濃度比がほぼ10:1に保たれている.この比率に乱れを生じる原因には,次の場合がある.第一にNADH:NADは変化せずピルビン酸値が急増した場合と,第二にNADH:NADは増大したがピルビン酸値は変化しない場合,さらにこの二つの現象が合わさった場合である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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