icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

慢性肝疾患において有用な検査データ

著者: 大森俊明1

所属機関: 1石川県立中央病院消化器内科

ページ範囲:P.361 - P.361

文献購入ページに移動
 領域を問わず,愚者さんの診療に当たっては検査値云々よりも,顔貌や血圧などといったビジュアルなもののほうが優先されるのは当然だろうと思います.例えば出血性ショック患者のHb値は急性期の出血量を反映しません.しかし,こと慢性肝疾患の診断や経過観察においては検査データこそが,診療において非常に重要な意味をもつことが多々あります.
 〔症例1〕61歳の女性.検診にて肝機能異常を指摘され受診.ALPが他の酵素より突出して高値であり,まずもって原発性胆汁性肝硬変(PBC)を疑う.エコーでは脾腫を認め,データではALP 890IU/l,GOT 42IU/l,GPT 44IU/l,γGTP 331IU/l,TCH 225mg/dl,IgM 876mg/dl,ANA+,AMA+80でPBCの診断が確定.肝生検するまでもなくUDCA(ウルソデスオキシコール酸)投与開始した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?