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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

総コレステロール

著者: 平晃一1 齋藤康1

所属機関: 1千葉大学医学部第2内科

ページ範囲:P.370 - P.373

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 総コレステロール(TC)はコレステロールエステル(CE)と遊離型コレステロール(FC)の総和である.血中で,コレステロールはトリグリセライド(TG),リン脂質などの他の脂質成分やアポ蛋白とともにリポ蛋白を形成して存在している.高脂血症の本態はリポ蛋白の増加であり,リポ蛋白が増加することにより血清TC値やTG値が上昇する.各病態で増加するリポ蛋白がそれぞれ異なり,増加したリポ蛋白によりWHO表現型分類I〜V型に分類される(表1).増加したリポ蛋白の判定法として超遠心法やポリアクリルアミドゲル(PAG)電気泳動などがあるが,血清静置試験または血清脂質値(TC値とTG値)から,表1に示すように増加しているリポ蛋白が推測できる.TC値測定の臨床的意義の第一は,どのリポ蛋白が増加または減少しているかの病態の把握にある.以下に,TC値の上昇する病態をWHO分類に則して述べる.
 1)IIa型高脂血症:TC値の上昇する最も代表的な病態で,低比重リポ蛋白(LDL)がうっ滞することにより発症する.TC値のみ上昇し,TG値は変動しない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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