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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

遊離脂肪酸

著者: 澤田正二郎1 石川俊次1

所属機関: 1防衛医科大学校第1内科

ページ範囲:P.390 - P.390

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 血中脂肪酸の大部分は各種脂質とエステルを構成し,約5%程度が主にアルブミンと結合した遊離脂肪酸(非エステル型脂肪酸:FFA)として存在する.FFAはturn over(代謝回転)が速く,脂肪酸転送能が高く,末梢組織のエネルギー源として重要である.FFAは主に2つの経路で生成される.第1の経路としては,食事から吸収された中性脂肪はカイロマイクロンを形成し,末梢組織のリポ蛋白リパーゼが作用しFFAが血中へ遊離される.第2は,脂肪組織に貯蔵された中性脂肪が,ホルモン感受性リパーゼによって水解されFFAが動員される.多くのホルモン(カテコラミン,ステロイドホルモン,甲状腺ホルモン,成長ホルモンなど)はこのリパーゼを活性化することにより中性脂肪の分解を促進する.一方,インスリンは分解を抑制する.よって,これらの代謝に異常をきたしたときにFFAは異常値を呈する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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