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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

LDLアフェレーシスと血清総コレステロール値

著者: 猪子森明1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院循環器内科

ページ範囲:P.397 - P.397

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 高コレステロール血症が虚血性心疾患のリスクファクターであることは周知のことであるが,それを実感させてくれる症例を最近経験した.
 家族性高コレステロール血症のために26歳で狭心症を発症し,34歳で三枝病変に対し冠動脈バイパス術を受けたが,42歳から狭心症が再発した男性患者である.プラバスタチン,プロブコール,ベザフィブラート,コレスチラミンの投与を行っても,総コレステロール値は300mg/dl以下に低下させることはできなかった.冠動脈バイパスの狭窄病変を経皮経管冠動脈形成術(PTCA)とステント植え込みで治療するのだが,次々と新たな狭窄病変による狭心症が出現し,4年間で5回のPTCAと,全部で5個のステント植え込みを受けることとなった.このままでは予後は悲観的と考えられ,当院で初めてLDLアフェレーシスを行うこととした.1回3〜4時間の治療で総コレステロール値は220〜270から80〜100mg/dlへ,計算値でのLDLコレステロールは180〜230から60〜70mg/dlへ低下し,HDLコレステロールは23から20mg/dlでほとんど変わらず,トリグリセリドは150から50mg/dlに低下している.治療後,次の治療までの間に総コレステロール値は徐々に元に戻り,治療直前の採血では再び250mg/dl程度になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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