icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属

Ca/P(カルシウム/リン)

著者: 井上大輔1 松本俊夫1

所属機関: 1徳島大学医学部第1内科

ページ範囲:P.412 - P.415

文献購入ページに移動
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 Ca・Pのバランスは主に腸管からの吸収,腎からの排泄によって決定されており,血清中の濃度は体内における分布にも大きな影響を受ける.生体内のCaの99%は骨に貯蔵されており,残りのほとんどは循環血漿を含む細胞外液中に存在する.骨,細胞外液の2つのコンパートメントには動的平衡が保たれており,同時に腎および腸管における吸収閾値を調節することにより,血清Ca濃度は厳密に制御されている.一方,リンは骨に約85%が貯蔵されており,残りは細胞外よりもむしろ細胞内に高濃度に分布する.血清P濃度はCaほど厳密には調節されていない.
 Ca・P代謝の最も重要な調節因子は,PTHおよび1α,25(OH)2-vitamin D(活性型ビタミンD)である.主な生理作用として,PTHは骨吸収の促進によるCa・Pの血中への動員,腎からのP排泄促進,腎近位尿細管における活性型ビタミンD産生(1α水酸化酵素活性)の促進,ビタミンDとの協調作用による遠位尿細管でのCa再吸収促進などの作用をもつ.一方,活性型ビタミンDは,腸管からのCa・Pの吸収促進,PTHとの協調作用による腎遠位尿細管でのCa再吸収促進などの作用を有する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら