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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

鉄欠乏性貧血?—鉄剤投与の前に検査で確診を!

著者: 松崎泰之1

所属機関: 1香川県立津田病院内科

ページ範囲:P.417 - P.417

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 貧血.特に鉄欠乏性貧血は日常遭遇することが多い疾患である.そのためか,診断を怠り安易に「造血剤」と称して鉄剤を投与し,その後に紹介され診断に混乱をきたす症例に出くわすことがある.
 〔症例1〕72歳の女性.近医での健康診断にて貧血を指摘され来院.来院時RBC 354万/μl,Hb 11.0g/dl,Ht 33.2%,MCV 93.7fl,MCH 31.1pg,MCHC 33.2g/dl,Fe 69μg/dl,UIBC 215μg/dl,フェリチン 115μg/dlと貧血はなく,わずかにFeが低値ながらもフェリチンは低下しておらず,鉄欠乏とはいえない状態であった.患者に話を聞くと,「毎年健診を受けているが,今年の貧血はひどい」と言い,前医から鉄剤を処方され1カ月服用していたとのこと.鉄剤を一時中止のうえ,便潜血を調べると生化学的方法,免疫学的方法ともに陽性であった.消化管内視鏡検査を施行した結果,胃腺腫がみつかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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